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生産性のワナ〜労働者個人の問題ではない〜

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新聞でよく見る「生産性」

最近新聞でよく生産性という言葉を目にします。ありがちな文脈としては人口減少社会、労働力が減る社会で経済力を保つためには1人あたりの生産性を上げ、減少を防がないといけない、という感じです。労働人口はこれから50年間で、8000万人から4000万人へと半減するというデータもあります。安倍政権での働き方改革でも労働人口を増やすほかに、生産性を上げることが重要視されていますね。

かつての日本が誇った「モーレツ社員」、長時間労働で勤勉な社員が素晴らしい・・・という従来の価値観からの転換!という面で画期的?なのかもしれません。過労死、パワハラ、・・・労働の問題を語る上で、一気に解決するのではという期待を込めているような気もします。

生産性とは何か

生産性とは、「労働力に対してどれだけ価値を産めたか」を示します。生産量を物的な量で表せば「物的労働生産性」、金額(付加価値)で表せば「付加価値労働生産性」となります。

つまり・・・折り鶴を1時間に1つ折れる人(A)と、2つ折れる人(B)がいたとして、物的生産性では2つ折れる人(B)のほうが高い。しかし、Bが折り鶴2個を200円で売り、Aが折り鶴1個を1000円で売れば付加価値労働生産性はAのほうが高くなる。

物的労働生産性は投資や現場の細かな改善で上がります。人口が多いこともあり、これまでの日本はこれらを得意としてきました。いいものを安く売る、の時代ではこれでうまくいきました。が、発展途上国の台頭などで人件費の割に低く頭打ちが明らかになりました。

個人の努力ではない

ですが、付加価値をつけろと言われてもまったくピンときません。個人というより、企業のエラい人にだけ関係のある話のような気もします。企業全体の利益の出し方の問題だからです。1人1人が付加価値をつけていくというより、最初に企業の出した付加価値があってそれを従業員の数で割っていくというイメージが近いと思います。企業が市場に出して初めて値がつくからですね。一生懸命働いても売れなければ生産性は低くなる・・・モチベーションも下がりますね。

ということで私にできることはせめて、出たクギを叩かない、相変わらずコツコツ働くことくらいですかね・・・。

他国との比較

よく聞くのが、OECD加盟国中最低クラスだ、という指摘ですが、どれも日本より人口が少ない国(アメリカ以外)。一般に人口が多ければ格差が大きくなるので平均を押し下げていると見ることができ、生産性が高い!見習え!とは一概にならないのではないかと。

ただアメリカは別枠で、3億人いて5位なのは異常な水準ですね。一部の超大企業が平均を上げまくっているのでしょう。

まとめ

生産性が低いという言葉から連想するのは1人1人の創造性や仕事のデキかたが低いということですが、実際は経営戦略に関係する人たち、エグゼクティブだけが関係する問題だといえます。しかし1人1人の問題としがちなのは、マスコミや産業界にメリットが大きいからです。残業代削減、専門職の労働時間延長、・・・実際には問題ではないことをけしかけてより有利な方向に持っていこう、という姿勢が見えるような気がします。

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