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西日本豪雨の報道に臨場感があるのはなぜか〜新技術と編集〜

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2018年6月〜7月にかけて西日本の広い地域に巨大な被害をもたらした豪雨は「西日本豪雨」と命名され、メディアでは様々に検証がなされています。

『とくダネ!』を見ていて、新技術が浸透・応用されているのを感じたので、書いていきます。

視聴者提供映像の豊富さ

直近の大きな災害である大阪地震(2018年6月18日)と比較しても、相当提供映像が多いと感じました。

災害が豪雨で、断続的な被害をもたらすため映像が多いわりに、テレビ局が入れないということが影響してるんでしょう。

とくダネ!では6つの視聴者提供映像を放送していましたが、テレビ局が撮った進行形の災害の映像はヘリと被災者へのインタビュー以外ほとんどありませんでした。

テレビ局の人によると、映像は局の公式サイトに投稿される映像のほかに、SNSで検索して発見し、本人に許諾を求めていることが多いとのこと。

なので災害のときは多くの記者はネット検索をしているということですねー。

ほとんど現場入りできないし危険、迷惑なので、ネットで映像を取るというのは妥当ですが、想像するとなかなかシュールです。

テレビ局ってなんだっけ?的に葛藤している人もいそうです。テレビ局は現在進行形の災害では映像を撮るのではなく、編集が重視されていくのでしょう。

提供映像は、建物が流される瞬間、一面が水に沈んでいる映像など。スマホのサイズで撮り方も下手でブレブレですが、決定的瞬間を捉えた力は大きく、現場で被災している人じゃないと絶対に撮れないものでありました。

今までのような、ヘルメットをかぶった記者が災害現場でスタジオと話してるのとは伝わる情報の質が異なります。

ドローン

局、映像提供者ともに、撮影方法が多様化しています。スマホで撮った視聴者提供はもはや珍しいものではなくなり、新技術で撮った映像が生まれています。

テレビ局はそれらを駆使し編集しますが、より伝わる映像になっていました。

たとえば豪雨被害後の住宅地を映したドローン映像が印象的でした。

最初は地面のごく近くにあり、濁流の流れの一つ一つが見えるくらいなのですが、グーッと上がっていき、家の2階くらいの高さに到達したときに住宅のごく近くを流れる濁流の位置の異様さがわかり、さらに上がっていくと今まで小川くらいに思っていた濁流の上流まですべて、本来の位置にあるべきものでないことが明らかになります。

曲がりくねり、流れの周囲が泥で覆われているのです。

生活・実体・現実感を感じさせるミクロな映像と、被害の大きさを使えるマクロな映像というのは本来トレードオフの関係にあります。

誰も、上空のヘリコプターから映した、水没した家の一つ一つを具体的に想像することはできないです。

衝撃的ではありますが、現実的には感じない。かの独裁者が言ったように、あまりに大きな数字は統計上の数字として認識することしかできないのです。

しかし、ドローンのミクロ→マクロへの移動は、そこに生活感を感じさせながらも、被害の大きさを雄大に語ります。

結局私にとっては画面の中の出来事で、実際に住んでいる人の落胆・気持ちが理解できるとは思いませんが、少なくともヘリの上から取る映像よりは伝える力がありました。

これからドローンは災害報道上の重要な位置を占めるのではないでしょうか。今まで物流や軍事利用に注目していましたが、報道もチェックすべきかもしれないですね。

ストリートビュー

Googleストリートビューを利用した比較映像も印象的・衝撃的でした。

道路を基準にして、風景の変わり方がよくわかるのですが、日本中どこにでもあるような、大した特徴のない道路が選ばれているのがポイントかと思います。

大阪地震のときには、倒壊した壁の画像の提供元となったわけですが、利用効果としては異なります。

どこにでもある風景には、自分にとって身近な風景も含まれている。

ここが被害の大きさ、深刻さを伝えるうえで重要なのではないかと思います。

何でもない道路ほど残っている画像がないので、比較としてストリートビューが多くなりがちになります。

なのでストリートビューが重要というより、なんでもない道路を映した画像が存在していることに意味があるわけですが、伝える上ですごく意味があります。こうした利用方法もあるわけですね。

GoPro

広大な地域に被害をもたらした豪雨ですが、呉市に焦点を当てた報道では、罹災時
に「GoPro」を頭に装着していた男性が提供した映像とインタビューが頻繁に登場しました。

GoProは、探検での撮影向けの、広い角度で撮ることができるウェアラブルなカメラ。

移動に強く、広範囲を撮れるので現場にいるような映像になります。

放送されていた映像では、最初は父親の方が頑なに避難を拒んでいたものの、水位が上昇し家に浸水し、避難を決めた際のとのやりとりまで記録されていて、本物の?ドキュメンタリー映像でした。

この映像の中にも私にとって身近で自然な風景が含まれていて、全く他人事に感じさせない強い力がありました。

GoProで撮影した男性のように、報道の仕事の人だけでなく、こうしてあらゆる人が映像を提供することで、映像の集合知?のようなものが形成されていくのかもしれません。

災害報道におけるテレビ局の役割は、単なる映像の提供は薄れ、集積される素材をいかに編集するかに力点が移動しているのを感じました。

参考

とくダネ!7月12日放送

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